<音風景>鳴り砂 キュッキュッ 室蘭市 イタンキ浜
アイヌの人たちが「声ある砂浜(ハワ・ノタ)」と名付けた室蘭市のイタンキ浜。白っぽく灰色がかった乾いた砂の上を歩くと、「キュッキュッ」と音が鳴る国内有数の「鳴り砂」の海岸として知られている。音は、砂に含まれる「石英(せきえい)」という透明な結晶がこすれる際に生じる。粒がそろい、不純物を含まず、丸みを帯びていることが「鳴り」の条件とされる。1997年から浜辺の環境保全活動に取り組む市民団体「室蘭イタンキ浜鳴り砂を守る会」によると、この浜の石英は粒が細かいため、「ドレミの音階の『シ』に相当する音で鳴く」という。