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<北海製缶100年 源流への旅>2 サケ缶誕生

公開
2013年8月、占守島の片岡の丘には日本時代の石碑「志士之碑」がぽつんと建っていた。北海製缶の創始者である堤清六と平塚常次郎に、カムチャツカ半島でのサケ缶の生産を勧めた元海軍軍人の郡司成忠らの功績をたたえたもの。海に面した工場跡には燃料タンクらしいさびた鉄製の容器がいくつも放置されていた。堤と平塚たちは1910年、漁場のウスチカムチャツカに小さな缶詰工場を建てた。同工場を出発点として、半島各地に工場が建設され、大量の空缶が必要となった。こうした背景が21年の北海製缶倉庫(当時)の創業につながった。