札幌の牛タン店・北福仁は本場宮城県の名店の味が堪能できる
札幌にある牛タンのお店「北福仁」は、牛タンの本場・宮城県の名店の味が堪能することができます。牛タン自体がまだ北海道であまり知られていなかったときに誕生した北福仁は数々の危機を乗り越え、今もなお宮城県の名店の味を守っているんです。今回は、牛タンのお店・北福仁とその名物メニューを紹介します。
札幌で人気の牛タン店「北福仁」は本場宮城の味を受け継ぐアットホームなお店
日本で初めて牛タンを料理として提供したのは、仙台の牛タン専門店「山梨」。そのお店の味に感激した福田清仁さんが「北海道の人に知ってもらいたい」と立ち上がったのが北福仁の始まりです。10年以上の修行を経て1986年に牛タン専門店として創業。お店の運営を担当する奥さんの友子さんをはじめ家族総出で名店の味を守り続け、やがて人気店へと成長しました。しかし、2004年にご主人・福田清仁さんが事故で帰らぬ人に。その後も、国内で牛海綿状脳症が蔓延したことで政府が国内外の牛肉の出荷を規制するなど、2度もお店に悲劇が襲いました。現在2代目店長を務める長男・大輔さんや調理担当の次男・雄二郎さん、常連客など、たくさんの人のサポートを受けお店は今も存続。現在もお店の味を守り続けています。
札幌・北福仁の牛タンには美味しく味わうための工夫がいっぱい
北福仁の牛タンは、輪切の肉を円柱上に積み上げることで中まで味を染み込ませています。これは、ご主人・福田清仁さんが名店「山梨」で修行していた頃から変わっていないやり方。肉を一晩低温で熟成させることで味を凝縮させています。北福仁の牛タンは、肉の切り方も独特。スライスしたあとに、”キッパ”と呼ばれる切れ目を入れるのが特徴です。味を染み込みやすくするだけでなく、焼いたときに肉が収縮されるのを抑えるためでもあります。歯切れの良い食感は、このキッパが入っているからこそなんです。”焼き方”よりも、”炭の火をいかにちょうど良い状態で保てるか”のほうが難しいんだとか。提供されるまでに、いろいろな手間暇がかかっているんです。北福仁には、創業時から続いている”牛タンの食感を最後まで味わってもらうためのサービス”があります。それは、お肉を半分ずつ時間差で焼き、温かい状態で提供すること。話が弾みまだお皿に残った牛タンが冷めてしまったときは、一度お肉を下げて温め直してくれるんです。お店を長く続けてこれたのは、そんな優しい心配りがあるからかもしれませんね。
「北福仁」の名物メニュー
BSE問題で牛肉の輸入規制が入り牛タンの仕入れが困難だった頃、お店に新しい風を吹き込む起死回生のメニューが誕生しました。牛タンを形成する際に切り落とした肉を使った「牛タン炒飯」は、苦肉の策から生まれたメニュー。今は、このメニューだけを注文するお客さんもいるほど、お店の名物とも呼べる人気メニューとなりました。牛タン炒飯は、ジューシーな牛タンがごろごろと乗ったボリューミーなメニュー。塩とコショウ・ごま油・醤油を混ぜただけの、シンプルな味付けがベースになっています。牛タンから出る旨みとベストな塩加減に、箸が止まりません。北福仁を語る上で外せないもうひとつのメニューが「牛タン定食」。牛タン定食(上)は、8切れの牛タンと麦飯・テールスープがついています。この麦飯とテールスープが、牛タン定食に欠かせない存在なんです。たっぷりといただけるテールスープにも、ごろごろとした牛タンが入っています。テールスープはコクがあり、独特な旨みが感じられるのが特徴。アク取りも含め、煮る工程だけで合計7時間ほどかかっているんです。香りも強く、お家ではなかなか再現できない味を堪能できます。以前「入院した父がテールスープを飲みたいと言っており、スープだけ譲ってほしい」とお客さんにお願いされたこともあるんだとか。それだけお店のファンの方に愛されている味なんですね。
2度もお店存続の危機に遭いながらも、これまでお店の味を守り抜いて来た北福仁。「主人が遺してくれた味をずっと変えずに続けていきたい」と奥さん・友子さんは語ります。亡くなったご主人の想いが詰まったお店の味に、これからも期待が高まりますね。
◆北福仁
住所:札幌市中央区南一条西7丁目1ビルヂングフクダB1F
▽紹介メニュー
牛タン炒飯 650円
牛タン定食(上)4枚 1,800円(8切れ、麦飯、テールスープ付き)
◆北福仁
住所:札幌市中央区南一条西7丁目1ビルヂングフクダB1F
▽紹介メニュー
牛タン炒飯 650円
牛タン定食(上)4枚 1,800円(8切れ、麦飯、テールスープ付き)