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だるま軒|札幌の老舗ラーメン屋が作るの究極の一杯

公開
札幌市民の台所とも呼ばれている二条市場に、札幌に現存する最古のラーメン屋「だるま軒」があります。おすすめの看板メニュー「醤油ラーメン」は創業から70年以上経った今も変わらない人気メニューです。今回は札幌最古の味を守る「だるま軒」を紹介します。

「だるま軒」は、札幌に現存する一番長い歴史を持つラーメン店

だるま軒の外観
「だるま軒」の創業は1949年。戦後まもなく狸小路の1軒の屋台からスタートし、札幌に現存するラーメン屋の中で一番長い歴史を持つお店になりました。初代店主は、北海道を代表する製麺会社「西山製麺」の麺の味のベースを作った西山仙治さん。西山さん考案の製麺機第1号は、今も「だるま軒」の地下室で稼働しています。「決して大げさではなく、命懸けでラーメンを作っている」と語るのは、4代目となる現在の店主・加納哲也さん。お店存続の危機となった6年前、「店を無くしたくない」と引き継いだのが加納さんでした。加納さんの作るラーメンの大ファンだったという妻のゆかりさんの支えもあり、今もなお昔の味を守り続けています。

「だるま軒」の人気おすすめメニュー『醤油ラーメン』は、札幌ラーメンの火付け役

だるま軒の人気メニュー・醤油ラーメン
醤油ラーメン/680円税込 ※取材時の価格です
札幌ラーメンといえば、味噌ラーメンを連想する方も多いですが、「だるま軒」ではメニューの一番上に『醤油ラーメン』の名前が並んでいます。『醤油ラーメン』こそ、「だるま軒」で昔から愛されている看板メニュー。戦後の時代を少しでも元気づけようとした名残で、おめでたいイメージのある"だて巻き"が添えられているのが特徴です。スープは、昆布で出汁をとり、豚骨や鶏ガラ・野菜を加え短時間で仕上げています。そのため、色は澄んでいて、体にすっと染み入るようなあっさりとした味わいになっているのが魅力です。あっさりとした中に深みを持たせるため、タレにはチャーシューを煮る際に使った醤油ベースのタレが使われています。麺は、札幌ラーメン定番の黄色い中太ちぢれ麺とは違い、白くて細いのが特徴。小麦粉と水・歯ごたえや色の素となる"かん水"のみを使い、3日間寝かせて作られています。シンプルなだけに、気温や湿度の影響を受けやすいのが難点。しかし、かれこれ20年間1日も休まず麺を作っていた加納さんは、麺を手に握った感覚だけで麺のベストな状態が分かると言います。

ラーメン店にカレーライス?「だるま軒」のラーメンのスープが使われた人気メニューもおすすめ

だるま軒の隠れた人気メニュー・カレーライス
カレーライス(甘口・辛口)/680円税込 ※取材時の価格です
「だるま軒」のもうひとつの注目メニューは、「カレーライス」。なんと60年以上も前から提供されている隠れた人気メニューなんです。常連客のアドバイスから写真付きのメニューを出して以来、よく注文される人気メニューのひとつとなりました。「だるま軒」でカレーライスを作れるのは、妻のゆかりさんだけ。「だるま軒」のラーメンのスープが入っているのが特徴で、作り方はゆかりさんのみぞ知る秘伝の味になっているんです。スパイスが香る本格的な味わいの中に、ラーメンスープのコクが感じられるカレーに仕上がっています。味は甘口と辛口の2種類。甘口には隠し味としてハチミツが加えられており、ラーメン屋とは思えないカレーライスへのこだわりが見えます。
「だるま軒」は、初代から続く歴代の店主や何百人ものスタッフの方によって守られてきたお店です。「受け継いできた味をずっと守っていきたい」と語る加納さん。「いつも来てくれるお客さんが『変わらないね』と言ってくれるよう、今までやってきたことを何十年も残していきたい」と熱く語ってくれました。歴代の店主や多くのスタッフさんによって守られ、今もなお愛され続けている「だるま軒」の味。歴史ある味わいの「醤油ラーメン」に、これからもまだまだ注目が集まりそうです。
 
◆だるま軒
・住所:北海道札幌市中央区南3条東1丁目
・営業時間:10時~14時(スープ、麺がなくなり次第終了)
・駐車場:なし