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<現在を撮る>髪のおしゃれ 生きる原動力に

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シャキ、シャキ、シャキ ー。小気味よいハサミの音が帯広市内の個人宅で響く。「サッパリしてきたね」。6月下旬、リーゼントヘアにアロハシャツ姿の森田浩幸さん(56)が優しく声をかけた。仕上がった自身の髪を見た坂田直條さん(92)は目を細め、満足そうにゆっくりと一礼した。森田さんは高齢や病気で理美容室に行くのが難しい人たちの髪を整える「福祉理美容士」だ。帯広を拠点に個人宅や医療・福祉施設を訪れている。