フォトストーリー 北限のうるしでコツコツと 塗師 菅原咲さん
手作業の優しく深い世界に吸い込まれる―。北見を拠点にブランド「野つけうるし」の漆器を制作する菅原咲さん(32)は、網走で自ら採取した漆を仕上げに使う稀有な塗師。その工程に立ち会った。「漆かきはまだまだうまくなくて」。6~10月、菅原さんは、網走の漆栽培林に週1回通う。ウルシの木に引っかき傷をつけ、漏れ出る樹液が漆だ。生育の北限とされる網走の漆は、ほど良い粘性があり、乾きが早いという。「自分で採った漆を作品に塗れることがありがたい」と感謝する。