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帯広競馬場の装蹄所 「ジューッ」と音立て滑り止め〈とかち 音のーと〉

公開
「ジューッ」。直径約70cm、横長の円柱の炉の中にはコークスが敷き詰められ、約1200度に達するほど熱い。取り出した真っ赤な蹄鉄をばん馬の蹄に押し当てると、音と同時にオレンジ色の炎が上がる。煙が立ち、焼け焦げた臭いが鼻を刺す。帯広競馬場の厩舎村で続く蹄鉄の交換作業だ。千葉装蹄所代表の千葉喜久雄さん(82)は、炉の前で馬の動きに目を光らせる。歩き方のくせから適した形を見抜くためだ。金づちでカンカンと繰り返し打ち、熱い蹄鉄を成形する。